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鳩とベランダと
朝早く、何か異様な音で目覚めました。なあに?若い人たちが隣へ引越し?最初は定かではありませんでしたが、延々と続き、「はっ」と判り、ベランダに急いで飛んでいきました。
思いっきりの太声をだし、タオルを振り回して、2羽の鳩を追い払いました。又来ました。自分でも正常心欠落と思える声をはりあげて、いろいろ置いてある板の後ろにいる一羽と手すりに止まっている一羽を追い払いました。そして、隣のベランダが汚いに違いないと憤慨して、管理人さんに電話しました。上の階にもその上にも鳩が来る話を管理人さんから聞きました。憤慨しながら、自分のベランダを眺め見ているうちに、私の家も鳩が巣を作る場所を選んでいる家なんだと気がつきました。冷や水を浴びたような。
3年前の初春に引っ越してきた当座は大好きなハーブをベランダに置いていました。夏が来てエアコンを付けたので、熱風が小さなベランダに吹き出し、ハーブが生きていける環境ではない事がわかり、諦めました。が、土や砂利や鉢を載せる台は片付けなかったのです。部屋にあるものを片付けたいときはベランダに出しました。私自身はベランダには出なくなりました。そうして3年近く経っていたのでした。
棚板、台、収納箱、所狭しと置いてある物にも、その間にも、東京の汚染と土埃が積もっていました。くもの巣がなかったのは戸外だからでしょうね。鳩が巣をつくる場所として選んでいたのは不思議ではないです。
驚きと苦しさに襲われて横になりました。ああ、もうだめだ。こんなにだらしなく、エネルギーなく、ひどい状態で住んでいるようになってしまった…と憂鬱になり、うつ状態になりました。鳩が居つく前にベランダを片付けて綺麗にしなければ…と勇み立つのではなく、なんで自分はこんなに情けない生き方をしているんだろうと不快感に浸り、なにもやる気がせず、布団をかぶってしまいました。
いや~な、暗~い、惨めな気持ちは慣れた感じでしたし、起き上がってあの面倒なベランダの散乱(産卵に至らなくてよかった!)を片付けるエネルギーが湧いてこない状態でした。ちょっとそうして「こっそり快楽」に浸っていした。
けれども、そういった快楽に気がつくし、そう長続きしなくなっている昨今ですから、ちょっとの贅沢の後、このパターンを続けて、悔いながら汚いベランダを避けてこの家に住み続けるの? 今この重い気持ちを味わいながら起きてベランダを掃除するという新しいパターンを始めるの? と自問自答が始まりました。
起きるのは嫌でした。物凄い抵抗がパターン停止にありました。でも、鳩が毎朝変な声を出してそれで目が覚めるのだと思うと、また近寄りたくもない部分があるところに住む不快感を思うと、惰性を打ち破って片付けるしかありませんでした。「こっそり快楽」に浸っているのをやめて、ベランダを掃除しました。ベランダには余分なものは何もなくなりました。すっきりしました。
2羽の鳩は今朝も来ましたが、すぐ出て行ってしまい、鳩を見ても気持ちの悪さは残りませんでした。今まで何度このパターンを繰り返して生きてきたのかと思うと、いま気がついてすぐに新しい行動がとれたことを鳩たちに感謝するべきか、と。
でもちょっと迷っています。もっと体裁のいい誰かに感謝できないかな…(笑)
2008年05月09日 21:34
